サバ缶とボッコちゃん

青魚と短編小説をこよなく愛するコピーライターです。 ブログタイトルは時々変わります。

きっとどこかで夕焼けを

 

異常気象のせいか、夕空の美しさが

年々ドラマチックさを増しているようなこの頃。

実は夕焼けにはちょっと特別な思いがある。

 

会社員時代、

ストレスをためこんでジタバタしていたころに、

知人の紹介で「前世が見えるひと」に見てもらった。

何周前の前世かはきくのを忘れたが、なんでも私は

「スペインで漁師をしていた」らしい。

 

銀座の古いカフェの2階で生年月日を尋ねたあと

そのひとはしげしげと私を眺めて、

「夕焼けが見えるわね」と言った。

「あなたは夕日をずうっと見ているのね。海岸ね」とも。

私は「夕日を眺めているスペイン人の漁師」

だったのだそうだ。

 

そう言われたことがとても腑に落ちた。

なぜスペインかということもきくのを忘れたが、 

このイメージが気に入ってそれ以来、

夕焼けを見るたびに思いが巡るのだった。

 

今日も仕事が終わったなぁ…

夕日が沈んでいくなぁ…

その漁師は男だったのかな…

ここはスペインかぁ

目の前は海岸かぁ…

この海は地中海かぁ!

 

そして、次いつ生まれ変わっても

人間じゃなくても、

自分は美しい夕焼けを見るだろう、

見るにちがいない、と確信する。

 

そんなわけで夕焼けを前にすると、

ライトな悩みくらいは

とりあえずすぐにリセットできるのだった。

 

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