LUCKY
うれしい!
「今年の年賀状の文章よかったんでナレーション頼みます」ですって。
ほんとですよ。年賀状で仕事きたの初めてですよ!?
ありがたいことです。
というわけで、くだんの文章をこちらにも貼っておこうと思います。
(実はさっき日付操作して年頭に書いたテイで一度貼ったんですが、
やっぱり今日の正直日付でリポストすることにしました)
沢辺香’torch’2019新年のご挨拶。昨年よかった映画の話です:)
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男の名はLUCKY。毎朝5ポーズのヨガ。グラスに入れて
冷やしておくミルク。カウボーイハットに格子柄のシャツ。
活躍した俳優ハリー・ディーン・スタントン最後の映画が、
この一年ココロを照らしてくれていた。人生の最晩年を迎
え、初めて生について哲学する元兵士の爺。「上滑りした
会話より気まずい沈黙の方がいい」「孤独と一人は同じじ
ゃない」「俺がいなくなってもリクガメのルーズベルトは
きっと生きてる 」「みんなには内緒にしといてほしいが
実は死ぬのは怖い」。誰の上にも時間は平等に流れている
ことや、青い空の下日常をつつがなくつづけられることの
ラッキーを、マリアッチの優しい響きとともに映画は教え
てくれた。91歳は自分には何十年も先だが、いつでもある、
は永遠には、ない。俳優という職業を生ききってスクリーン
の向こうに姿を消したスタントン爺の、こっちを見てニッと
笑ったラストは、乾いた希望に満ちていた。私をあたためて
くれた一本、「LUCKY」(ジョン•キャロル•リンチ監督作)。
自分もだれかやどこかを照らす一本の松明(torch)でありたい。
本年もどうぞよろしくおつきあいください。