サバ缶とボッコちゃん

青魚と短編小説をこよなく愛するコピーライターです。 ブログタイトルは時々変わります。

花粉症人間の作文

 

ひどい花粉症である。

そろそろ飛散量のピークも越えたとは思うが、

と書いていて変換第一候補に「悲惨量」と出た。

こちらが正しいと思う。

 

まず鼻水だが、 

風邪の時とは様子がちがう鋭角的にサラサラの液で、

流れ落ちながら鼻の下、唇、あごを伝って

ぬぐおうとした手の甲にまで滴り、

まるで酸を含んでいるように皮膚をチリチリとただれさせる。

ティッシュを詰めてもかんでも止まらず、

かけたマスクは流れ続ける鼻水でいつのまにか

激しい雨に濡れた白いシャツのように

ぐっしょりと顔面に張りついて半透明となり、

息をするたびに膨らんだりしぼんだり。

もはやマスクの体をなしていない。

鼻の穴や唇がうっすら透けた顔は障子ごしのお化けのようで、

どんなにキレキレのプレゼンをしようと説得力ゼロ以下。

会議室に憐れみの空気が漂う。

 

次に目。

かゆいかゆいかゆいかゆい!!!…痛っ!

かきすぎて目尻を切ってしまう。

よく目玉を取り外して丸洗いしたいと言う人がいるが、

目も鼻も耳の穴も髪の根元も喉の奥も

全部全部全部全部かゆく、

目玉をなんとかするだけではとてもおさまらない。

いっそこのド頭ごと首から引っこ抜いて

「てぇ〜〜い!!」と叫んで地面に力いっぱい叩きつけ、

蹴り転がしてそのまま帰ってしまいたい。

その方がまだ、ムズムズ震えながら我慢の限界に達し

道行く人に突然「かゆいんだよ〜〜〜!」と叫んで

通報されるよりいいと思う。

 

この時期、全身をよじりながら青山通り

のたうち歩いているのは私だけではないと思う。

日本中の労働生産性が下がっていることは間違いない。

 

・・・

花粉症の辛さを書いて少しでも紛らわせようと

作文してみました(ヒマ人)。

お目々よごしなにとぞお許しください。

(写真は近所の公園。桜に花粉症がなくて本当によかった…)  

 

f:id:akubikkuri:20180417214846j:plain