サバ缶とボッコちゃん

青魚と短編小説をこよなく愛するコピーライターです。 ブログタイトルは時々変わります。

ガラパゴス

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だいぶ間があいてしまい明日で2019年も終わり。

もう一つくらいは書いておこうと思ったので、

今年印象に残ったエピソードを。

 

9月にトルコに旅行した時のこと。

申し込んでいた国立公園カッパドキアの「奇岩ツアー」に

日本人の大学生4人組がいた。

ツアーは大きめのバンに様々な国の観光客が14~5人で、

ガイドが歴史や見どころを説明してくれる。

大学生は男女2名ずつでWとKのインカレサークルメンバーの

卒業旅行(と話していた…耳ダンボ)のようだったが、

サークルのことなどをずっと4人だけでしゃべっていて

何度か「シーッ」と注意されても悪びれる様子もなく、

彼らだけの世界を作っていた。

 

散策中一緒になった同じツアーのタイ人が

「It's a behavier of that Japanese kids !(あの子たちの真似〜)」と

キャアキャア騒ぐ振りをして連れに

「Stop it.(やめろよ)」とたしなめられたりしていて、

他の客も大学生たちになんだかなぁという空気になっていた。

ツアーが終わり客を順にホテルまで送る段になって

あいさつもお礼も言わず彼らが降りた後で

ガイドの男性が「The party was over.」と肩をすくめた時には、

(こういう書き方はしたくないけれど)

同じ日本人として本当に恥ずかしかった。

 

あまりに幼稚だと思った。

自分たちだけで世間が完結しているのだろうけど、

いろんな人が参加しているのがツアーだよ?

トルコまで来て学食のおしゃべり!?

お金を払っているから好きに振る舞っていいってことないんだよ。

周りと調和して気分良くすごすのがマナーでしょうが(怒)

件のタイ人に、あの子たちいくつくらい?ときかれて

20代前半だと言ったら、

「中学生かと思った」と驚いていた。

 

そしてもっと気になったことがあった。

 

途中、土産物屋に寄った時、

店頭に可愛らしい手編みのブレスレット(トルコには芸の細かい

手芸品がたくさんある)を見つけた大学生男子が

「これ女子喜ぶんじゃね?こういうのあげたらすぐヤレるかな」

と悪びれもせずに隣の女子に言ったのだ。

若い男だからそういう軽口も叩くだろうと思ったけど、

目の前の女友達に言うかなぁ。

少なくとも自分の頃は(時代のせいかどうかは不明)

男子は女子を前にしてそんなことは言わなかったな。

 

さらに仰天したのがその時、話しかけられた女の子が

「ヤレる。こういうの持ってたら絶対ヤレるよ」と言ったこと。

ええ〜〜!?女子が同調する?何その気遣い!?

 

そこでふと、その女の子たちがかわいそうになった。 

大事にされてないんだなあ… 

あんな気持ち悪い同調の言葉を口にしたのは、

さばけた女だと思われたかったのか

たしなめて空気が微妙になることを避けたのか、

その男子に嫌われたくなくて萎縮したのか。

 

小さくてもこういうセクハラシーンが普段からあるとして

いつも同調して流して鈍感になっているのかもしれないけど、

その度にココロは少しずつ傷ついているはずだ。

こういうチクっとした痛みは馬鹿にできないと思う。

繰り返しているうちに自分を大切と思う気持ちや誇りが縮んでいくと思う。

 

人との関わり方やダイナミクスが変わってきてる感。

最近メディアや街角(電車の中とか)などでも

うっすら感じてはいたのだけど…よろしくない感じ。

 

以上、旅行中の短時間の出来事でしたが、

ずっとひっかかっていたのであります。

 今年最後の更新がネガなトピックで不本意ですが。。