サバ缶とボッコちゃん

青魚と短編小説をこよなく愛するコピーライターです。 ブログタイトルは時々変わります。

TCCリレーコラムから「たのしいひとり」

 

もう10月の半ばですが、今年は一つも記事を書いていません。

一度手がとまるとまったく怠けてしまう…

でも閉じてしまいたくはない、、なんかないか!?

というわけで、今年8月のとある週に

末席に属していますTCC(東京コピーライターズクラブ)の

サイトに執筆したコラムをこちらにも載せておこうと思います。

5本あります。

どなたか読んでくれるかな…

 

 

たのしいひとり

沢辺香

残暑お見舞い申し上げます。
2009年入会の沢辺です。
前回の執筆は、新人賞受賞直後の14年前。
あれから自分も世の中のムードもだいぶ変わりました。
というわけで今回は、近ごろ変わってきたなと感じる
「ちょっとしたこと」について書いてみたいと思います。
テーマも漠然、、&唐突ですが、好きなアーティストの曲も毎回ひとつずつ。

一週間どうぞおつきあいください。

***

8年前にまあまあ長く勤めた広告代理店を退社しまして、
いまは仕事人生で二度目の「ひとり」です。

最初にフリーになった時のことは以前にも書いたのですが、
その時と一番ちがうのは、
どこからどう見ても歳をとっている(ベテランともいう)!ということ。
当然ですがティーン向け商材のコミュニケーション等には声がかからず
(そういえば妖怪ウォッチを使ったCMが一回だけ…)、
ブランディングなど企業に伴走しつつお手伝いする仕事が多くなりました。
どなたかも書いてらしたけど、企業に多少代理店ばなれが起きているのか、
私のような無名のフリーランスにも時々ご依頼があります。

先日’渋谷のラジオ’でも少ししゃべったのですが、
会社員だった時のように会社に来た仕事にアサインされるのではなく、
フリーランスの、特に今は、「あなたにやってほしい」という仕事がほとんど。
先方の責任者と直接話せるのも醍醐味で、
俯瞰で見るとそれは責任重大すぎる恐ろしい状況…
なのに熱心な経営者の方にお会いするとうれしくなって
一肌も二肌もぬぎたくなってしまうのです。

そのかわり、熱のないお客さんに悩むことも多くなりました。
誰よりも考えているのはクライアントの開発担当のはず…
せっかく世に出るのになんだか責任があいまいな会議体から
ふわっと生まれてくる製品たちの痛々しさよ。。
だったらわたしがいちばん考えようじゃないの!と意気込むのですが、
それでものれんに腕押しだったりすると悲しくなります。

愚痴をこぼす相手もいないので、そんな時は気分転換。

オール自己責任で誰も守ってくれないフリーにも嫌われる自由はあるはずなので、
勇気を出してはっきりモノを言ったあとはいったんそのことを忘れて、
好きなことをします。
好きなことって? 
…映画を観る/小魚揚げる/クッキーの型抜きしまくる/雑巾を縫うなど。
地味…

始めて8年、なんとか続けてこられてるのは、
「たのしいひとり」を守るために気合を入れてジタバタしているからかも。
時々「サワベはいつも楽しそうだねぇ」と言われることがありまして、
そう言ってもらえると、ジタバタが少しは成功しているのかなとうれしくなります。

***

というわけで、一曲目。

たのしいひとり/工藤祐次郎

www.youtube.com